効果あり?肌断食 できる人できない人

肌断食」という言葉を知ったのはもう10年以上前のことだ。確かAmazonのおすすめとして、提唱する医師の著書が現れた。

口コミを見るとおしなべて高評価。スキンケアもメイクもしないという極端な美容法に、これほど女性たちが好反応を示すのかと心底驚いた。

当時の私は美容ジャーナリストとして、化粧品を湯水のように使っていた。毎日のように化粧品発表会に行き、毎日 山のように化粧品が届く日々だった。

いずれも化粧品メーカーから無料でもらうのだが、それを片っ端から使い、良いものだけを厳選して雑誌で紹介した。

だから当然、毎日のスキンケアは盛りだくさんになる。化粧水も美容液も2〜3種類ずつ、さらに乳液つけるクリームもつける。これを基本に、目元や毛穴、フェイスラインの引き締めなどのパーツケアをさらに加える。

それが当たり前だった自分に、スキンケアもメイクもしない肌断食という考えは、驚き以外のなにものでもなかった。

 

肌断食を猛勉強

 

そこで早速 書籍を取り寄せ、肌断食の勉強を始めた。これが、本当にな〜んにもしない。石鹸で洗いワセリンをつけておしまい。もちろんメイクも一切しない。

これで美肌になれるならこんなにいいことはない。お金もかからず手間も不要。面倒なメイク習慣からも解放される。

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世間一般に浸透したら美容ジャーナリストとしての仕事は消えてなくなるが、それで本当にみんながきれいになれるならいいではないか。

これはしっかり実行して、効果のほどを検証しなければと思った。

・・・が、数日で音をあげた。濃いスキンケアに慣れた私の肌は、何の栄養も与えられない状況にまったくもって耐えられなかった。

 

 

肌断食で言うところの肌の自活力といったものが、長年の濃厚なスキンケアによってすっかり衰えていたようだ。

私の肌は乾燥し、干からび、しわくちゃになり、くすんだ。日焼け止めも塗らないので(当時は石鹸でオフできる日焼け止めなどなかったと記憶している)シミまで増えてくるように思った。

そもそも私の肌は薄く、ハリのない脆い肌だ。その肌を濃厚なスキンケアでなんとか保っていたのだから、それが急に途絶えたらどうなるかは明らかである。

早々に肌断食を諦めたが、それからずっと頭の隅に「肌断食」という言葉が引っ掛かった。

また、多くの人たちがこくシンプルなお手入れを望んでいるということも痛感した。だからシンプルで効果的なスキンケアを探すことが、それから私の命題となったのである。

(その後 私は体調を崩し、化粧品の合成成分や香料がつらくなった。とはいえ肌断食では肌の健康を保てない。そこでたどり着いたのが「素朴美容」である。泡洗顔を止め、季節の植物液とアロエ、オイルなど国産のごくナチュラルな素材だけを使う。詳細は、このブログの他の記事食べ物などの自然素材で節約しながら透明美肌を育むスキンケア「素朴美容」などを参照いただきたい)

 

肌断食はできる人とできない人がいる!

 

それから月日は流れ、SNSや動画投稿サイトでは肌断食推奨派やアンチ肌断食など、今もさまざまな意見が飛び交う。

それらを分析し美容全体を概観したとき、私がたどり着いたのは「肌断食は、できない人とできる人がいる」という結論だ。

肌断食はできる人にとっては効果的だが、できない人にとっては肌を傷める原因になる。言うまでもなく私はできない側である。

ではこの、できるできないを分ける要素とは一体なんだろうか。

 

「健康かどうかが分かれ目」

 

それは、「健康かどうか」だ。健康かどうかというのは、必要な栄養が肌に届いているか否かだ。

肌というのは化粧品よりむしろ、栄養によってその状態が左右される。

内臓、特に胃腸が丈夫な人は、肌に必要な栄養をしっかり消化吸収できる。

しかし胃腸が弱い人は、きちんと食事をしてもそれが十分に吸収できない。

栄養が充分でないと、人体は重要度の高い臓器に優先的に栄養を届ける。そうなると心臓や脳などと比べて生命維持に直ちに影響しない皮膚は後回しになる。

だから胃腸の弱い人の皮膚は、たいてい薄くて脆いのだ。

そんな状態で肌断食をすればどんな結果になるかは目に見えている。

一方、胃腸が丈夫な人の肌は厚みがあり、ハリがあり、つやつやしている。そういう人が肌断食をすると、自前の美肌力が徐々によみがえり、スキンケアなしでも健康で美しい肌が実現できるのだ。

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ちなみに胃腸の消化吸収力は、爪の状態で把握できる。私は薄くてすぐに割れる、もしくは剥がれる爪だ。最近は食生活や血行促進、運動や睡眠に気をつけているのでだいぶ改善されたが、それでも健康な人のようなつるんと丈夫な爪ではない。

ほかにも美肌を左右する大きな要素として睡眠や血行が挙げられる。健康的な睡眠ができているか、血行がスムーズで栄養が肌まできちんと運ばれ老廃物が回収されているかどうかも、肌断食するか否かを判断する材料となる。

そう、肌断食できるかどうかを決定する1つ目の要素は、「健康かどうか」だ。

 

始めるなら若いうちに

 

2つ目の要素は、「若いかどうか」。若いと当然、体内の水分量は多く、肌細胞も衰えていない。コラーゲンだってエラスチンだってしっかりしているし、細胞間脂質であるセラミドもたっぷりだ。

また若い人は長年の濃厚なスキンケアで肌を甘やかしていないので、自前美肌力が衰えていない。

だから肌断食で早く肌の自活力が復活する。

もちろん若くても肌が弱い人はいる。しかしそうした例外を除けば、若い人は相対的に肌断食に成功しやすいと言えるだろう。

 

女性より男性の方が成功しやすい理由

 

さらに、女性より男性の方がより成功しやすいように思う。これに関係するのが、男女のホルモンの違いだ。

女性の肌は、ホルモンのサイクルによって大きく変化する。生理前、黄体ホルモン優位の肌は皮脂分泌がさかんでニキビや吹き出物に悩む人がいる。(中には皮脂分泌が活発になることによって乾燥肌が和らぐ人もいる)

やがて生理が終わると今度は女性ホルモン エストロゲンが優位になる。エストロゲンは肌を若々しく保つ美肌ホルモンともいえるから、ここでまた肌の状態が変化することになる。

 

このように周期的なバイオリズムによって変動するホルモンが、女性の肌をくるくると変化させることになる。

しかし男性はこうしたホルモンによる変化がない。しかも男性ホルモンの代表であるテストステロンは、皮脂分泌を活発にする。この、最高のエモリエントである自前皮脂に守られて、男性の肌は女性に比べて安定しているのだ。

実際、肌断食に成功しているのは男性の方が多いように思える。比較的若くて健康な男性が、スキンケアはワセリンだけで十分だとする意見を散見する。肌断食を提唱した医師も男性だ。

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もちろん男性も、更年期を迎え徐々にホルモン分泌が減少すると、肌が薄くなり皮脂が抜けて乾燥してくる。また、体が弱いという男性も肌断食は難しいと感じることが多いようだ。

女性も閉経後は女性ホルモンがぐっと少なくなり、コラーゲンやエラスチン、セラミドが減少する。長年濃厚なスキンケアをしてきた閉経後の女性が、体調が優れないなかで始める肌断食はリスクが大きいと言えよう。

 

まとめ

 

スキンケアもメイクもしない肌断食は相対的に、「健康で」「若い」「男性」が成功しやすいと言えるだろう。

長年濃厚なスキンケアをしてきた虚弱で閉経したわたしは、泡洗顔や合成成分、界面活性剤を排除した「素朴美容」で、自分なりの美肌を育くんでいこうと思う。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

美容記者歴30年。美容研究家。国産の旬のナチュラル素材を使った「素朴美容」と、透明感や清潔感を大切にした大人のメイクレシピを研究。 ほどほどのミニマリストであり、お洒落、靴、読書、料理、運動、サプリ、口笛が趣味。美大卒。 ちなみにかつての愛読誌は「オリーブ」と「暮しの手帖」。